当院では、糖尿病・高血圧・脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病についての診療も行っております。
「生活習慣病」とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群です。しかし、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響します。
「生活習慣病」は生活習慣が悪いから発症するとは限りません。
代表的には以下のような疾患があります。
高血圧の診断では、病院で測る診察室血圧と自宅で測る家庭血圧を確認することが望ましいです。
高血圧の基準は家庭血圧で 135/85mmHg 以上、診察室血圧では 140/90mmHg 以上とされています。
血圧は1日の中でも変動しますし、測定時の行動や、状態などによっても異なってきます。
起床時と寝る前の毎日決まった時間帯に測定することを推奨しています。
高血圧と診断される場合は一度受診することをお勧めします。
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が主な治療法となります。
インスリン(膵臓から分泌されるホルモン)の分泌量が減少する、あるいは分泌されているにも関わらず血糖降下作用が十分に発揮されなくなった結果、血糖値が高い状態が糖尿病です。
免疫の異常などにより膵臓の細胞が破壊されてインスリンが作られなくなる「1型糖尿病」と、インスリンは作られていても、量が不足したり、うまく働かなかったりするために血糖が高くなる「2型糖尿病」があります。
多くの方が「2型糖尿病」に該当します。
食べ過ぎ、運動不足、ストレス、加齢などが「2型糖尿病」の原因となりますが遺伝的な影響もございます。
血糖値が高い状態が持続するようになると、血管がダメージを受けるようになり、動脈硬化にもとづく様々な病気が引き起こされるようになります。
目・腎臓・神経など全身の様々な臓器に障害(合併症)をもたらします(細小血管障害)。
また、血圧やコレステロールが高い状態もあると、それらが複合して血管の動脈硬化が早く進み、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険が高くなります(大血管障害)
そのため、高血糖が確認された場合には、早期に生活習慣の見直し、必要に応じて薬物療法を受けて血糖値をコントロールすることで、動脈硬化の進行を抑制することが重要となります。
糖尿病の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が主な治療法となります。
脂質異常症とは、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪など、血中の脂質濃度が慢性的に高い状態、もしくはHDL(善玉)コレステロールが少ない状態をいいます。
脂質異常症の基準値として、LDLが140以上、中性脂肪が150以上、HDLが40以下があります。
自覚症状がないことが多く、血液検査や健康診断で指摘されて分かることが多いです。
コレステロールが高い状態が続くと血管が狭くなったり、詰まる原因となります。その結果、脳梗塞や心筋梗塞が発症することもあります。
脂質異常症の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が主な治療法となります。
高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。
尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断されます。
9mg/dl以上もしくは8mg/dl以上で合併症(腎障害・高血圧・糖尿病・肥満など)を伴うものについては薬物療法を含む治療が望まれます。
治療している場合,尿酸値は6mg/dl以下を目安にコントロールします。
高尿酸血症のために体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。関節に溜まった尿酸の結晶が痛風発作の原因となります。足の付け根に痛みが出ることが多いです。疼痛のコントロール後は高尿酸血症の治療が必要となることが多いです。
高尿酸血症の状態が続くと、痛風発作の再発、腎臓中の尿酸結晶が原因で腎臓病になったり、尿路結石ができたりといった、さまざまな合併症が起こります。
食事療法として、尿酸の元となるプリン体を多く含む食品(レバー鶏卵、魚卵類、ビールなど)の摂取を控え、バランスの良い食事をとる必要があります。
薬物療法としては、尿酸の生成を抑制する薬や、尿酸の排泄を促す薬などが処方されます。
これらの疾患は自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行し、動脈硬化が進行すると脳卒中や心筋梗塞など重篤な疾患や肝機能障害、腎機能障害などの合併症を引き起こすことがあります。
心配ごとがありましたらご相談ください。